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2009年9月15日アーカイブ

●Bさんのプロフィール●

年齢:28歳

職業:某ソフトウェア会社派遣社員(システムエンジニア)

家族構成:一人暮らし

家族歴:祖母がうつ病

身体既往歴:幼少時にアトピー性皮膚炎

病前性格:目立つタイプではありませんが、明るく、真面目なため、周囲の人に信頼されています。

人前で話をしたり、上司など立場が上の人と接したりするときは、やや緊張しやすい傾向があります。

 

重要な仕事を任されたのに・・

Bさんは、真面目で正確な仕事ぶりを認められ、派遣先の会社で、ある重要なプロジェクトチームの一員として仕事をすることになりました。

それから半年間は多忙な日々となりましたが、Bさんはこれまでの仕事の経験を生かせるチャンスだと必死に取り組み、その結果をまとめて上司に報告しました。しかし、それを上司はあまり評価してくれず、さらに難しい課題を課してきます。Bさんは、やはり自分の仕事では不十分だったのかしらと、少しがっかりしましたが、次こそは良い結果を出そうと、それまで以上に仕事に邁進しました。

しかしその後、なんとなく元気が出ず、仕事にも集中できない日々が続くようになりました。結果を出さなければと焦るほど、仕事のことが頭から離れず、夜もよく眠れません。また、月経の10日くらい前から常にイライラして、特に気分の落ち込みが激しく、会社を休みがちになってしまいました。

 

会社を休むことに抵抗が

そんなときBさんは、会社のイントラネットで「ストレス自己チェックリスト」を見つけ、自分の状態について当てはめてみました。すると、欝の疑いがあるということがわかったのです。まさか自分がうつになるとは思ってもいなかったBさんはショックを受け、「このまま会社を休みがちになってしまったらどうしよう」という不安もあったため、自宅近くのメンタルクリニックを受診してみることにしました。

その結果、医師から、抑うつ状態であることと、月経前不快気分障害も伴っているという説明を受けました。また、今の状態について、「ガソリンのない車と同じで、幾らアクセルを踏んでも動かない状態です。だから、ガソリンが十分補充されるまでは、ゆっくり会社を休んだほうがいいですね」とも言われました。

会社を休みことには抵抗があったものの、出社しても仕事がはかどらないというのが現状だったため、Bさんは思い切って3週間ほど休みをもらうことにしました。そして、うつ状態を改善させるための抗うつ薬と、睡眠が十分取れるようにするための睡眠導入薬を服用し、自宅で療養することになったのです。

 

うつの気分のとき何を考えている?

会社を休み、自宅で療養を始めて約一週間たった頃、Bさんの気分はほぼ改善してきました。しかし、早く会社に復帰しなければと思う一方、会社のことを考えると少し気分が憂うつになります。

Bさんが診察時にそのことを相談すると、医師は「気分が沈むとき、どんなことを考えていますか」と質問してきました。Bさんは、改めて思い起こしてみて、「そうですね・・・仕事のことが気になります。心配になります。復帰しても仕事がうまく行かなかったらどうしようと。そうすると絶望的な気分になってしまいます」と答えました。

医師はさらに、「仕事がうまく行かないということは、あなたにとってどのようなことを意味しているのでしょう?」とたずねます。

Bさんは少し考え、「自分が認めてもらえないように感じます。自分はなんてダメな人間なんだろうと思い、自分が必要とされなくなってしまう、みんなから嫌われてしまう、と怖くなります」と答えました。

続いて医師は、「なぜそのように考えるのか、それを裏付ける事実はありますか?」と質問します。

Bさんは「結果をまとめて提出したけれど、上司にそれを評価してもらえず、さらに難しい課題を出されてしまいました。きっと、私の仕事がダメだったからに違いありません」

そして、正社員ではなく派遣社員という立場であることも、そのような考えに影響している、とも答えました。

すると医師は、「先ほどの考えを否定する事実はありますか?」

Bさんは最初何も思いつかずに戸惑っていましたが、「プロジェクトチームの一員に選ばれたのは、それなりに私の仕事が評価されていたからかもしれない」と、ふと気づきました。そして、上司は自分の全てを否定していたわけではなく、認めてくれていた部分もあるのだと、それまでとは少し違う見方が出来るようになりました。

また、上司がさらに難しい課題を要求してきたのは、自分の仕事が悪かったからではなく、プロジェクトとしてもっと良い成果を出すためだったのかもしれない、と思えるようになりました。そしてそのように考えると、少し気持ちも楽になり、仕事に対する前向きな意欲も出てくるようになったのです。

Bさんは三週間後、無事に復職しました。今では、困ったことがあれば上司や先輩に相談しながら、以前よりも少し自信を持って仕事に取り組んでいます。

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