皆さんは、「スーパーウーマン・シンドローム」という言葉をご存知でしょうか。
これは1987年に出版されたエッセイのタイトルで、当時の流行語になりました。スーパーウーマン・シンドロームとは、完璧な母、完璧な職業人、完璧な主婦という理想的な(ある意味では非現実的な)女性になろうとして疲労困憊してしまった女性達が体験する、抑うつ、不安、絶望感、怒りなどの症状を指します。現代の会社のシステムや待遇は男性向けに出来ていて、必ずしも女性の生理的な状態や事情に合いません。率直に言って、女性は男性の何倍もの成果をあげて初めて、男性並みに認められるのが現実です。そのため、社会の中でやりがいを求めて働く女性は、常に"働きすぎ"の状態になります。それに加えて、社会は"良妻賢母"もしくは"母性"という理想像を女性に要求します。子供達が事件を起こせば、母親の"母性"の欠落が取沙汰され、女性達を不安にさせることもしばしばです。特に、スーパーウーマン・シンドロームに陥りやすい女性は、家族を自分の延長と見なしやすく、自分よりも家族や他の誰かを優先し、自分が出来ていないこと(特に子育ての面で)に不必要なまでに罪悪感を抱き、頼まれるとノーということができず、誰かに頼むことに抵抗を感じやすいといわれています。さらに、周囲の人たちがこのような行動に否定的な反応を示すとき、本人の葛藤や不安は強まります。このような女性達がうつ病にならないために必要なことは、"理解してもらえた"と感じられる情緒的なサポートと、自分のやったことが"報われた"という感覚です。

コメントする