カレンダー

« 2010年4月123456789101112131415161718192021222324252627282930

CO2ビジネス、良いか、悪いか 【B氏の場合】の最近のブログ記事

二酸化炭素の隔離からその先へ

「二酸化炭素を単に隔離するだけというところから、更に先へと進むときがやってきたのだ」

2002年の6月までには、全てのEU(ヨーロッパ連合)加盟国が、京都議定書を承認するものと思われる。これにより、ほぼこのような画期的な提案を概念から実行に移す為に最低限必要な、温暖化ガス排出量をもつ、最低限必要な国の数が揃うことになる(下記参照)。

日本政府は、現在のアメリカ政権がこれを推奨する意向の全くないことを示すまでは、この計画を熱心に支持していた。アメリカの大統領の方針によると、アメリカ政府は、経済情勢がより望ましい方向に進んだ時には、より高い率での排出量の低減に賛同するということだった。すなわち、成長率が高ければ、排出量増加の削減も多くなるというのである。

これはあまり論理的とはいえない。
京都議定書の支持者側と反対者側のいずれも、ある決定的に重要な問題を見過ごしている。すなわち:二酸化炭素に市場はあるのだろうか? 仮に我々が、その市場価値を、「人間が気候を安定させるために払う用意のある資金」だと定義するならば、その値はかなり低いことになる。このことから予想できることは? 「市場供給は膨大だが、市場需要のほうは、環境に配慮するわずか数社の企業に限られる」ということである。

二酸化炭素は今日では、気候変化の元凶のひとつとみなされているが、新しいビジネスや更には生命そのものの前提条件としてさえ浮上する可能性が、十分ある。我々が見過ごしてはならないのは、酸素も、かつて地球上の初期の生命体にとっては、有毒であったという事実である。

酸素は、嫌気性菌から生成され、地球上のあらゆる生命体を全滅の危機にさらした。自然界が好気性菌を発生させるまでには、何百万年もの時を要したのだが、これらのバクテリアの生存には、酸素の存在が前提条件となる。こうして、大気においては、約21%の濃度で、継続的な生成と消費により、排出量のバランスがとられることになる。

我々はなぜ、二酸化炭素を問題とみなすのだろうか? なぜ二酸化炭素を、低いコストで上質な生成物につながりうる、豊かな資源ととらえないのか? 温室に大規模な二酸化炭素の注入を行わずに、競争力をもてるトマトの生産農家など存在しない。二酸化炭素の注入なくして、炭酸飲料を味わうことも不可能である。最近の、織物から自動車の部品に至るまでのハイテクな繊維を見てみると、そのすべてが、炭素系の繊維からできたものであることがわかる。

 

世界の主要な石油グループによる研究開発の成果を見てみると、我々は、過剰な「気候変動ガス」を処理しなければならない必要性と、この、豊富にあって利用可能な物質に対する新たな需要を生み出す必要性との間の隔たりに気づく。「どうしたら、海に注ぎ込むような方法で、あるいは地下に蓄えるために油井に戻すといった方法で、二酸化炭素の除去を行えるのか」という研究に、何十億ドルが投じられているのは、なぜなのだろう? これでは、現在の取引価値とされている、1トンあたり5ドルの価格に更にコストを上げているだけだ。

また、炭素隔離に取り組むにあたっての我々の創造性のレベルが、植樹、あるいはもっとひどい場合には、森林の保護に限定されているのは、なぜなのだろう?

 もし全ての炭素排出量を、木の栽培によって相殺しようとするのなら、地球3つ分の表面積が必要になる。

これは明らかに、実現の見込みがない。

改善策としては、竹林を植えることによる炭素隔離の拡大が既に行われている。ありがたいことに、竹というのはよく育つ上に密度が高いので、他の遺伝子操作を施した樹木と比べても、1ヘクタールあたり年間で40倍もの二酸化炭素をとらえることができる。

今こそ、単に二酸化炭素をつかまえることから先へすすむ時である。このままでは、お金がかかるだけか、わずかな収益を生み出すに過ぎない。なぜ事業に携わる人々は、新しい収益を生み出すような斬新な方法を考慮しないのか? もしも竹を植えたら、せめて耐震設計の家屋の建設に、その竹を活用すればよい。

二酸化炭素を最も発生させる企業の研究開発部門は、なぜ炭素系繊維の新たな利用法を開発しないのか? なぜエア・リキード社(産業ガスの製造業者)のような炭素に従事する業界が、電力会社との協力によって炭素を調達することなく、天然資源からわざわざガスを抽出することが、許されているのか?

今こそ、二酸化炭素を、増税と産業効率の低下をまねく問題とみなすのを、やめる時である。

この資源を、未知なる機会を秘めた、非常に優れた資源と考える時がやってきたのである。

新たな、進歩的な方法を見出すために、起業家たちとの協力関係を結ぶかどうかは、科学者たちに委ねられている。その一方で我々は、京都議定書が実施に向かってくれることを期待したいものである。

------------------------------------------------------------------------------------------

好気性菌 aerobic bacteria
好気性菌は、酸素のない状態では生存が困難、または不可能な細菌のことである。

カーボンファイバー carbon fiber
炭素繊維は、レーヨンやアクリル繊維などの合成樹脂の糸を、酸素のないところで蒸し焼きに
し、炭化させることでつくられる。炭素は原子間の結合が強く、また軽いため、非常に丈夫な
繊維となる。
------------------------------------------------------------------------------------------

このアーカイブについて

このページには、過去に書かれたブログ記事のうちCO2ビジネス、良いか、悪いか 【B氏の場合】カテゴリに属しているものが含まれています。

前のカテゴリはCO2ビジネス、良いか、悪いか 【A氏の場合】です。

次のカテゴリはCO2削減用語です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

MT4.1 テンプレート 無料(フリー)
Powered by Movable Type 4.1