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CO2ビジネス、良いか、悪いか 【A氏の場合】の最近のブログ記事

多くのビジネスリーダー、そして政治家や市民はたいてい、自国の経済や自分の懐に打撃を与えるような二酸化炭素排出削減の取り組みには不平を言う。その筆頭がアメリカ大統領、ジョージ・ブッシュ氏だ。彼はアメリカのビジネス、雇用、ライフスタイルを害することはどのようなことであっても行なわないと断言している。ゆえに彼は、二酸化炭素排出を削減するための提案を記した京都議定書にそっぽを向いた。

しかも自国が世界人口の5パーセント未満でありながら世界の排出量の25 パーセントを占めていても、である(日本は、人口は世界の2パーセント、排出量は約5 パーセントである)。問題は、ブッシュ氏や彼の同僚も分かっているように、「二酸化炭素排出が地球温暖化の要因の約半分で、その大半は化石燃料の燃焼から生じており、その化石燃料がいまだアメリカのエネルギーの大部分を供給している」ということだ。ブッシュ氏のスタンスは、アメリカ合衆国が世界で最も裕福な技術先進国であり、最も強い指導力を発揮できる立場にあることを考えると、なおさら驚くべきものである。

 

嘆かわしいのは、ブッシュ氏や彼の支持者たちが、エネルギー経済に関する基本的理解を欠いていることだ。1973 年、我々の良き友であるアラブ諸国が石油の適正な価格を教えてくれたことで、アメリカや他の産業国、そしてとりわけ日本は、それまで以上に石油の最後の一滴、石炭の一塊まで無駄にしない努力によってエネルギー効率において目覚しい技術力を発揮し始めた。そしてそれ以前より少ないエネルギーで同じだけの走行距離や光熱量を得たり、数ヶ月、ないし数年以内に元が取れる技術を使ったりしてそれを達成した。
例えば電球型蛍光灯。これは従来の白熱電球の4分の1ほどの電力で8~13倍も長持ちし、何十ドルも節約できる。生産量は1988年以降、ほぼ10倍になった。現在、15億個の電球型蛍光灯が使用されており、それによって30の石炭発電所の発電量に相当する電力需要を減らすことで、二酸化炭素排出を削減している。このようなエネルギー効率対策や、その他の取り組みにより、アメリカ合衆国は年間1,500億ドルを節約してきた。しかし、いまだ年間3,000億ドル相当のエネルギーを無駄にしている。アメリカの発電所が無駄に生産するエネルギーは、日本で使用される総エネルギー量と同じである。
アメリカに限らず全世界にとって残念なのは――地球温暖化の害は我々すべてに及ぶ――アメリカ人が最近、その傍若無人なやり方でエネルギー対策に大失敗していることだ。
たしかに初めはまじめに努力し、特にほとんどの国よりも多くの二酸化炭素を排出していた自動車の取り組みに力を入れた。1978年、アメリカ政府は自動車のさらなる燃料効率を求める初の法律を可決させ、メーカーのほとんどは車体のサイズや重量を小さくし、空気力学やタイヤを改善してこれに応えた。

1988年、アメリカの自動車の燃料効率は1973年の2倍以上になり、日本やヨーロッパの平均とほぼ同等になった。アメリカの二酸化炭素排出の3分の1が車によることを考えれば、これはなおさら意義深いことだった。しかし、アメリカでは1980年代後半からアメリカ車の燃料効率への取り組みは、まったく強化されなくなった。それどころか新たなスポーツ用多目的車(SUV)の流行が、動きを急速に逆行させてきた。

この車は1ガロン(約3.785リットル)のガソリンでわずか10マイル(約16キロ)しか走らない。そして現
在アメリカの新車の3台に1台はこのSUVだ。輸送にかかる年間の石油消費は、その殆どが車によるものだが、アメリカ人一人あたりの平均は現在19バレル(約3,020リットル)で、これに対し日本人ではわずか6バレル(約950リットル)だ。しかし、燃料効率は最終的に3倍にすることが可能だ。カーボンファイバーをもとにした軽量だが丈夫な宇宙時代の合成素材や、重いスチールのフレームの必要性を最小限にする航空宇宙技術を集結した設計概念、そしてハイブリッドや燃料電池推進装置を使用するのだ。これはトヨタのプリウスやホンダのインサイトをみれば分かるように根拠のない夢ではない。アメリカのエネルギー学のエキスパート、エモリー・ロビンス氏は大部分に高度なポリマー合成素材を使用し、重量が従来の車のわずか3分の1という「ハイパーカー」を作りだした。こうした効率化やハイブリット・電気式の動力源のおかげで、将来、1ガロンあたり300キロメーターもの走行が可能になるだろう。これは汚染を95パーセント減らし、大部分がリサイクル可能である。ハイパーカーは最終的に現在OPECが扱っているのと同量の石油を節約できるのだ。


アメリカのエネルギーのエキスパート、ロバート・エアーズの言葉を引用すると、「自動車産業に対して求められている原則は、冷蔵庫から家庭暖房システムに至るその他の多くの製品にも適用することができる。新しい建物の暖房の需要は、たとえ寒冷な気候であっても、技術的には90パーセントの削減が可能だ。よりよい断熱材、窓(完全に密閉された3重のガラス)、デザインを組み合わせ、冬に太陽熱を利用し夏はこれを取り除けるようにすればよい。概して、アメリカの生活および商業に使用されるエネルギーは、今世紀半ばまでに50パーセントかそれ以上の削減が可能で、同時に75パーセントの二酸化炭素排出の削減になる」。
クリーンで再生可能な多くの資源からエネルギーを得られるという素晴らしい見通しにもかかわらず、ブッシュ大統領はアメリカの研究開発費を、部門によっては90パーセントも削減した。幸いにも、ビジネス界が代わって指導者的な役割を果たしている。1997年の京都会議の直前、アメリカ企業のトップたちは、カーボンクラブとも呼ばれる、地球気候連合(Global Climate Coalition)を立ち上げた。これは化石燃料に関わる多くの世界的有力企業や貿易協会の団体だった。彼らは京都議定書やそれが象徴するあらゆることに反対した。しかし、1997年以降、多くのビッグネームが過去の態度を改め、未来に目を向け始めた。デュポン、BP、シェル・インターナショナル、フォード、ダイムラークライスラー、テキサコ、GMなど、多くの大企業が連合を去っていった。2002年の始め、支持者の不足により連合は終りを迎えた。

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燃料電池推進装置 fuel-cell propulsion units
燃料電池は、水素に空気中の酸素を化学反応させて、電気と水をつくりだす発電システム。原
理的には大気汚染物質や二酸化炭素の排出量がゼロなこと、また、小型でも高い発電効率を可
能にするなどがその特徴である。

201589main_rs_image_feature_946_428x321.jpg同時に、BPアモコ、シェル、デュポン、トヨタ、エンロン、ボーイングは進歩的な新たなグループ、ビジ

ネス環境指導者評議会(Business Environmental LeadershipCouncil)に参加した。この組織では、企業は二酸化炭素排出削減のため、独自のプログラムを作ることが求められている。例えば、BPアモコは2010年までに、排出量を1990年のレベルより10パーセント削減するという計画をたてており、これは京都議定書が産業国に求めている約5パーセントという目標を上回るものだ。デュポンも議定書をさらに上回る目標をたてている。デュポンはすでに排出量の45パーセントを削減しているが、さらに2010年までに65パーセントの削減を計画している。BPアモコは太陽電池のリーダー的メーカーとなり、シェルは今や太陽電池と風力の主要な供給者だ。世界規模では300以上の企業が風力、太陽、波力エネルギーの技術を開発中だ。メリルリンチは最近、エネルギー技術開発企業に投資する新たな投資ファンドを設立した。これら全てのトップビジネスが我々の環境を守るため協力し、それによって素晴らしい利益を挙げている。エネルギーを節約することでお金が得られるのだ。

ブッシュ大統領殿、地球温暖化防止の取り組みがアメリカの経済に与える損害を心配されるのはおやめください。

アメリカのビジネスは全く逆の結果を示しているのだから。

 

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