深海に眠る未開拓の資源が国際的な注目を集め始めた。
新興国などの需要拡大で中長期的に資源価格の高騰が見込まれており、海底油田やガス田の開発に加え、レアメタル(希少金属)を深海で掘削する動きも出てきた。
各国・地域の利害対立が表面化する中、国際多岐な管理体制をどう構築するかが課題だ。
たとえば、南大西洋の英領フォークランド諸島(アルゼンチン名マルビナス諸島)で再び緊張が高まっていること。1982年に英国とアルゼンチンが武力衝突したのは領有権を巡る対立から。それから28年、今度は英企業による石油探査活動が紛争の火種となった。
住民わずか2500人の同諸島はいまや「ペンギンが住むサウジアラビア」(英エコノミスト誌)。海底油田の権益を狙うアルゼンチンは改めて領有権を訴え、米国にも仲介を頼んだが、英国は「その必要はない」と突っぱねた。
深海に眠る資源への期待がにわかに高まったのは、掘削技術の進展や開発コストが見合うようになってきたからだ。深海の石油やガスの埋蔵量は推計1800億バレル。米国の年間石油消費量の約25年分に相当する。
また、石油やガス以上に高い関心を集めているのが「燃える氷」と呼ばれているメタンハイドレート(天然ガスの主成分であるメタンを水分子で閉じ込めた氷上の結晶)だ。
深海域に比べて陸地から近い大陸棚に広く分布しており、埋蔵量も豊富とされる。オバマ政権も注目しており、研究費を予算化しているが、日本でも18年後の商業化に向けて研究が進む。日本近海にはメタンハイドレートが大量に存在。開発コストや安全性に課題はあるが、将来に資源不足を一気に解決できる可能性を秘めているからだ。
海底深くには、他にも、携帯電話や液晶パネルに使われるマンガンやコバルトといったレアメタルの鉱床が次々と発見されている。

