調査によると、日本でも瀬戸内海を中心に北海道の内浦湾、東京湾、伊勢湾、大阪湾など13の海域や汽水湖で富栄養化が確認されるなど状況は深刻。グループは「原因となる農業排水や生活排水の流入規制などを強化しないと、今後、沿岸域の多くの人々の暮らしにも悪影響が出る」と警告した。
グループは自らの調査に各国政府の資料や研究報告などを加え、世界の富栄養海域のデータベースと地図を作製。1960年ごろからの傾向も調べた。
富栄養化が確認されたのは日本、米国、カナダ、欧州などの沿岸が中心。415カ所のうち、状況が特に深刻で生物がすめない貧酸素海域は169カ所で、60年の10カ所、95年の44カ所から急激に増加していた。日本にはない。状況が改善に向かっているのは13海域だけだった。
富栄養化した海域では、プランクトンの異常発生による赤潮、生物の大量死やサンゴの死滅などが起きており、貝毒の増加などで人の健康にも影響が出ている。
WRIのミンディ・セルマン研究員は「農業排水中に含まれる窒素の量が増えていることや、魚の乱獲などによる海の生態系破壊が原因だ」と指摘。「工場や農業排水中の窒素の総量規制、乱獲の防止など強力な対策を取ることが必要だ」と話している。

