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2008年5月アーカイブ

初夏になると、気になるのは、今年の夏の気温と地球温暖化の関係。

ちなみに、日本の夏はここ23年間、毎年「平均気温」を上回ってきていますので、温暖化が進んでいることは否定しにくいと思います。

そこで、最近完全に悪玉にされているのが、温室効果ガスの「二酸化炭素」、CO2なのです。

大気になかったとすれば、地球はマイナス数百度の寒さのうえ、植物の光合成はできませんので、二酸化炭素が生命の源の一つになっていることは、間違いありません。しかし、大気中にあまりに急速に濃度が高まると、今度は温暖化を引き起こし、人類にとっては致命的ともなりうる海面上昇と異常気象をもたらしえます。なんとも、「東洋的なジレンマ」です。なくては生きていけない、多すぎても生きていけない・・・
この二酸化炭素という目に見えない、しかも大気中に0.03%しかない物質は、いまは全人類の関心を集めています。

このCO2を果たして「ビジネスにできないか」という考え方は極めて「アメリカ的発想」ではないかと思います。

皆様はどう思いになりますでしょうか?

 

「規制」を中心に二酸化炭素を減らすのか、それともやはりビジネス化することで、「マーケット・メカニズム(市場原理)」を活用すべきなのでしょうか?
簡単にいうと、お金持ち先進国がより貧しい国から「排出枠」を買うというようなビジネスは南北問題の根源となっている世界の現在の権力構造を一層強めているだけでないか、そのように思うことさえあります。さらに、今の日本政府のように、京都議定書に定められた「2012年までに二酸化炭素6%」削減を達成するため、実質的な取り組みによる削減より、「森林の吸収分」と他国からの「排出枠」の購入で賄おうとしている姿勢は、誠に情けない。二酸化炭素を減らすという命題は、これからの人類の生き残りと深い関係のある課題で、「数字の帳尻を合わせれば合格する」ような単純なものではないはずです。

とはいえ、排出権ビジネスを否定するのではなく(今まで着目していなかったところにビジネスチャンスが潜んでいるかもしれません)、独自の視点をもち、メディアで報じられていることの裏を是非みていただきたいと思います。

多くのビジネスリーダー、そして政治家や市民はたいてい、自国の経済や自分の懐に打撃を与えるような二酸化炭素排出削減の取り組みには不平を言う。その筆頭がアメリカ大統領、ジョージ・ブッシュ氏だ。彼はアメリカのビジネス、雇用、ライフスタイルを害することはどのようなことであっても行なわないと断言している。ゆえに彼は、二酸化炭素排出を削減するための提案を記した京都議定書にそっぽを向いた。

しかも自国が世界人口の5パーセント未満でありながら世界の排出量の25 パーセントを占めていても、である(日本は、人口は世界の2パーセント、排出量は約5 パーセントである)。問題は、ブッシュ氏や彼の同僚も分かっているように、「二酸化炭素排出が地球温暖化の要因の約半分で、その大半は化石燃料の燃焼から生じており、その化石燃料がいまだアメリカのエネルギーの大部分を供給している」ということだ。ブッシュ氏のスタンスは、アメリカ合衆国が世界で最も裕福な技術先進国であり、最も強い指導力を発揮できる立場にあることを考えると、なおさら驚くべきものである。

 

嘆かわしいのは、ブッシュ氏や彼の支持者たちが、エネルギー経済に関する基本的理解を欠いていることだ。1973 年、我々の良き友であるアラブ諸国が石油の適正な価格を教えてくれたことで、アメリカや他の産業国、そしてとりわけ日本は、それまで以上に石油の最後の一滴、石炭の一塊まで無駄にしない努力によってエネルギー効率において目覚しい技術力を発揮し始めた。そしてそれ以前より少ないエネルギーで同じだけの走行距離や光熱量を得たり、数ヶ月、ないし数年以内に元が取れる技術を使ったりしてそれを達成した。
例えば電球型蛍光灯。これは従来の白熱電球の4分の1ほどの電力で8~13倍も長持ちし、何十ドルも節約できる。生産量は1988年以降、ほぼ10倍になった。現在、15億個の電球型蛍光灯が使用されており、それによって30の石炭発電所の発電量に相当する電力需要を減らすことで、二酸化炭素排出を削減している。このようなエネルギー効率対策や、その他の取り組みにより、アメリカ合衆国は年間1,500億ドルを節約してきた。しかし、いまだ年間3,000億ドル相当のエネルギーを無駄にしている。アメリカの発電所が無駄に生産するエネルギーは、日本で使用される総エネルギー量と同じである。
アメリカに限らず全世界にとって残念なのは――地球温暖化の害は我々すべてに及ぶ――アメリカ人が最近、その傍若無人なやり方でエネルギー対策に大失敗していることだ。
たしかに初めはまじめに努力し、特にほとんどの国よりも多くの二酸化炭素を排出していた自動車の取り組みに力を入れた。1978年、アメリカ政府は自動車のさらなる燃料効率を求める初の法律を可決させ、メーカーのほとんどは車体のサイズや重量を小さくし、空気力学やタイヤを改善してこれに応えた。

1988年、アメリカの自動車の燃料効率は1973年の2倍以上になり、日本やヨーロッパの平均とほぼ同等になった。アメリカの二酸化炭素排出の3分の1が車によることを考えれば、これはなおさら意義深いことだった。しかし、アメリカでは1980年代後半からアメリカ車の燃料効率への取り組みは、まったく強化されなくなった。それどころか新たなスポーツ用多目的車(SUV)の流行が、動きを急速に逆行させてきた。

この車は1ガロン(約3.785リットル)のガソリンでわずか10マイル(約16キロ)しか走らない。そして現
在アメリカの新車の3台に1台はこのSUVだ。輸送にかかる年間の石油消費は、その殆どが車によるものだが、アメリカ人一人あたりの平均は現在19バレル(約3,020リットル)で、これに対し日本人ではわずか6バレル(約950リットル)だ。しかし、燃料効率は最終的に3倍にすることが可能だ。カーボンファイバーをもとにした軽量だが丈夫な宇宙時代の合成素材や、重いスチールのフレームの必要性を最小限にする航空宇宙技術を集結した設計概念、そしてハイブリッドや燃料電池推進装置を使用するのだ。これはトヨタのプリウスやホンダのインサイトをみれば分かるように根拠のない夢ではない。アメリカのエネルギー学のエキスパート、エモリー・ロビンス氏は大部分に高度なポリマー合成素材を使用し、重量が従来の車のわずか3分の1という「ハイパーカー」を作りだした。こうした効率化やハイブリット・電気式の動力源のおかげで、将来、1ガロンあたり300キロメーターもの走行が可能になるだろう。これは汚染を95パーセント減らし、大部分がリサイクル可能である。ハイパーカーは最終的に現在OPECが扱っているのと同量の石油を節約できるのだ。


アメリカのエネルギーのエキスパート、ロバート・エアーズの言葉を引用すると、「自動車産業に対して求められている原則は、冷蔵庫から家庭暖房システムに至るその他の多くの製品にも適用することができる。新しい建物の暖房の需要は、たとえ寒冷な気候であっても、技術的には90パーセントの削減が可能だ。よりよい断熱材、窓(完全に密閉された3重のガラス)、デザインを組み合わせ、冬に太陽熱を利用し夏はこれを取り除けるようにすればよい。概して、アメリカの生活および商業に使用されるエネルギーは、今世紀半ばまでに50パーセントかそれ以上の削減が可能で、同時に75パーセントの二酸化炭素排出の削減になる」。
クリーンで再生可能な多くの資源からエネルギーを得られるという素晴らしい見通しにもかかわらず、ブッシュ大統領はアメリカの研究開発費を、部門によっては90パーセントも削減した。幸いにも、ビジネス界が代わって指導者的な役割を果たしている。1997年の京都会議の直前、アメリカ企業のトップたちは、カーボンクラブとも呼ばれる、地球気候連合(Global Climate Coalition)を立ち上げた。これは化石燃料に関わる多くの世界的有力企業や貿易協会の団体だった。彼らは京都議定書やそれが象徴するあらゆることに反対した。しかし、1997年以降、多くのビッグネームが過去の態度を改め、未来に目を向け始めた。デュポン、BP、シェル・インターナショナル、フォード、ダイムラークライスラー、テキサコ、GMなど、多くの大企業が連合を去っていった。2002年の始め、支持者の不足により連合は終りを迎えた。

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燃料電池推進装置 fuel-cell propulsion units
燃料電池は、水素に空気中の酸素を化学反応させて、電気と水をつくりだす発電システム。原
理的には大気汚染物質や二酸化炭素の排出量がゼロなこと、また、小型でも高い発電効率を可
能にするなどがその特徴である。

201589main_rs_image_feature_946_428x321.jpg同時に、BPアモコ、シェル、デュポン、トヨタ、エンロン、ボーイングは進歩的な新たなグループ、ビジ

ネス環境指導者評議会(Business Environmental LeadershipCouncil)に参加した。この組織では、企業は二酸化炭素排出削減のため、独自のプログラムを作ることが求められている。例えば、BPアモコは2010年までに、排出量を1990年のレベルより10パーセント削減するという計画をたてており、これは京都議定書が産業国に求めている約5パーセントという目標を上回るものだ。デュポンも議定書をさらに上回る目標をたてている。デュポンはすでに排出量の45パーセントを削減しているが、さらに2010年までに65パーセントの削減を計画している。BPアモコは太陽電池のリーダー的メーカーとなり、シェルは今や太陽電池と風力の主要な供給者だ。世界規模では300以上の企業が風力、太陽、波力エネルギーの技術を開発中だ。メリルリンチは最近、エネルギー技術開発企業に投資する新たな投資ファンドを設立した。これら全てのトップビジネスが我々の環境を守るため協力し、それによって素晴らしい利益を挙げている。エネルギーを節約することでお金が得られるのだ。

ブッシュ大統領殿、地球温暖化防止の取り組みがアメリカの経済に与える損害を心配されるのはおやめください。

アメリカのビジネスは全く逆の結果を示しているのだから。

 

二酸化炭素の隔離からその先へ

「二酸化炭素を単に隔離するだけというところから、更に先へと進むときがやってきたのだ」

2002年の6月までには、全てのEU(ヨーロッパ連合)加盟国が、京都議定書を承認するものと思われる。これにより、ほぼこのような画期的な提案を概念から実行に移す為に最低限必要な、温暖化ガス排出量をもつ、最低限必要な国の数が揃うことになる(下記参照)。

日本政府は、現在のアメリカ政権がこれを推奨する意向の全くないことを示すまでは、この計画を熱心に支持していた。アメリカの大統領の方針によると、アメリカ政府は、経済情勢がより望ましい方向に進んだ時には、より高い率での排出量の低減に賛同するということだった。すなわち、成長率が高ければ、排出量増加の削減も多くなるというのである。

これはあまり論理的とはいえない。
京都議定書の支持者側と反対者側のいずれも、ある決定的に重要な問題を見過ごしている。すなわち:二酸化炭素に市場はあるのだろうか? 仮に我々が、その市場価値を、「人間が気候を安定させるために払う用意のある資金」だと定義するならば、その値はかなり低いことになる。このことから予想できることは? 「市場供給は膨大だが、市場需要のほうは、環境に配慮するわずか数社の企業に限られる」ということである。

二酸化炭素は今日では、気候変化の元凶のひとつとみなされているが、新しいビジネスや更には生命そのものの前提条件としてさえ浮上する可能性が、十分ある。我々が見過ごしてはならないのは、酸素も、かつて地球上の初期の生命体にとっては、有毒であったという事実である。

酸素は、嫌気性菌から生成され、地球上のあらゆる生命体を全滅の危機にさらした。自然界が好気性菌を発生させるまでには、何百万年もの時を要したのだが、これらのバクテリアの生存には、酸素の存在が前提条件となる。こうして、大気においては、約21%の濃度で、継続的な生成と消費により、排出量のバランスがとられることになる。

我々はなぜ、二酸化炭素を問題とみなすのだろうか? なぜ二酸化炭素を、低いコストで上質な生成物につながりうる、豊かな資源ととらえないのか? 温室に大規模な二酸化炭素の注入を行わずに、競争力をもてるトマトの生産農家など存在しない。二酸化炭素の注入なくして、炭酸飲料を味わうことも不可能である。最近の、織物から自動車の部品に至るまでのハイテクな繊維を見てみると、そのすべてが、炭素系の繊維からできたものであることがわかる。

 

世界の主要な石油グループによる研究開発の成果を見てみると、我々は、過剰な「気候変動ガス」を処理しなければならない必要性と、この、豊富にあって利用可能な物質に対する新たな需要を生み出す必要性との間の隔たりに気づく。「どうしたら、海に注ぎ込むような方法で、あるいは地下に蓄えるために油井に戻すといった方法で、二酸化炭素の除去を行えるのか」という研究に、何十億ドルが投じられているのは、なぜなのだろう? これでは、現在の取引価値とされている、1トンあたり5ドルの価格に更にコストを上げているだけだ。

また、炭素隔離に取り組むにあたっての我々の創造性のレベルが、植樹、あるいはもっとひどい場合には、森林の保護に限定されているのは、なぜなのだろう?

 もし全ての炭素排出量を、木の栽培によって相殺しようとするのなら、地球3つ分の表面積が必要になる。

これは明らかに、実現の見込みがない。

改善策としては、竹林を植えることによる炭素隔離の拡大が既に行われている。ありがたいことに、竹というのはよく育つ上に密度が高いので、他の遺伝子操作を施した樹木と比べても、1ヘクタールあたり年間で40倍もの二酸化炭素をとらえることができる。

今こそ、単に二酸化炭素をつかまえることから先へすすむ時である。このままでは、お金がかかるだけか、わずかな収益を生み出すに過ぎない。なぜ事業に携わる人々は、新しい収益を生み出すような斬新な方法を考慮しないのか? もしも竹を植えたら、せめて耐震設計の家屋の建設に、その竹を活用すればよい。

二酸化炭素を最も発生させる企業の研究開発部門は、なぜ炭素系繊維の新たな利用法を開発しないのか? なぜエア・リキード社(産業ガスの製造業者)のような炭素に従事する業界が、電力会社との協力によって炭素を調達することなく、天然資源からわざわざガスを抽出することが、許されているのか?

今こそ、二酸化炭素を、増税と産業効率の低下をまねく問題とみなすのを、やめる時である。

この資源を、未知なる機会を秘めた、非常に優れた資源と考える時がやってきたのである。

新たな、進歩的な方法を見出すために、起業家たちとの協力関係を結ぶかどうかは、科学者たちに委ねられている。その一方で我々は、京都議定書が実施に向かってくれることを期待したいものである。

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好気性菌 aerobic bacteria
好気性菌は、酸素のない状態では生存が困難、または不可能な細菌のことである。

カーボンファイバー carbon fiber
炭素繊維は、レーヨンやアクリル繊維などの合成樹脂の糸を、酸素のないところで蒸し焼きに
し、炭化させることでつくられる。炭素は原子間の結合が強く、また軽いため、非常に丈夫な
繊維となる。
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持続可能性時代へのスキル

現在の人間世界は、毛虫が変容(変態)して蝶になることに例えられる。

「時代遅れの生きているシステムが、自分自身の新しいシステムへの進化のときに、いかに抵抗するか」という話である。

このたとえから、私たち自身が持続可能なグローバル社会を達成するプロセスを完遂するために必要な「4つのスキル」がわかる。

4つのスキルとは、

1)全体的に、または、ホリスティックに考え、見るスキル
2) 将来に対する前向きのビジョンを作り出すスキル
3)協力して努力するため、同じような意見や考えを持った人々を見つけるスキル
4)いま使える資源を、新しい方法で用いるスキル

このうち、3)と4)について、考察を加えてみたい。

3)協力して努力するため、同じような意見や考えを持った人々を見つけるスキル

「生きているシステム」について教えるうえでホリスティックなアプローチを取るために私自身が用いているスキルのひとつは、多種多様な聴衆に話をすることだ。私は毎回の講演を、その特定の聴衆の世界観 -- つまりその人たちの「物事のあり方」に対する理解 -- について学んだことに合わせて話をする。ということで私は、世界のさまざまな場所の、企業、学問、宗教、科学、環境、政府関連の場をあちこち移動し、また、よりよい世界を作りたいという共通の関心で集まった、様々な背景や職業の人々からなる多くのグループにも話をしている。ここから私は、なぜ私たちがこれらの様々に異なる見方のすべてを統合する必要があるか、かなり理解することができるようになった。またこのような経験から、世界中の友人や同僚からなる、多様で相互支援的な基盤を得ることもできた。

 

 

世論調査家であるポール・レイは、アメリカ人とヨーロッパ人の価値観を調査して、『TheCulturalCreatives』という本を著した。これは、よりよい将来を作り出すために懸命に努力をしている人々を理解するための、すばらしい書である。そして、彼の『The New PoliticalCompass』という新しい本がまもなく出版される。この本の中で、彼は、米国の有権者の政治的立場が、新しいカテゴリーに大きくシフトしていることを明らかにしている。

この新しいカテゴリーとは、左派でもなく右派でもなく、彼が「新しい進歩主義者」と呼ぶものである。米国の成人のうち36~45%を占める"この新しい政治スタンスは、政治の中でも最大のセグメントを占めており、彼らは基本的には政治家に代表されていない層"である。レイ氏は、このような人々を以下のように定義している。「新しい進歩主義者は、諸問題のはるか先におり、国家主義的な利害より
も、地球の利害を重要だと考え、センチメンタルな環境主義よりも、環境的な持続可能性を、ヒーロー的なモデルよりもフェミニズムを、個人的な野心よりも個人の成長を重視し、宗教的右派以上に、グローバル化する巨大企業を糾弾する」。

これを見ると、人間のニーズのホリスティックな理解が、非常に大きく育っていることがわかる。もし政治家が、この新しい進歩主義者の問題に対する考え方を反映する政治要綱を作ることができれば、選挙に出られるばかりではなく、簡単に勝利を収めることができるだろう。

その一例が、米国連邦議会議員デニス・クスィニッチの地滑り的勝利である。価値観や優先順位のこの同じパターンが、おそらく日本の有権者の中にも、同じぐらいの重要性を持って広がっているのではないかと思う。そのような有権者を代表する政治家がその勢いを引き出すのを待っているのではないか。

 

私が言いたいのは、持続可能な将来を求め、そのために喜んで活動しようという、同じような意見や考えを持った人々の数が、急速に増えているということだ。米国やヨーロッパでは、平和運動や環境団体、禅、合気道、気功やヨガのトレーニングセンター、健康食品店、オーガニック生産者の協会、"Unity andReligious Science"などの新しい宗教や、新しい政治や代替的なライフスタイルを求めるグループ、またそれほど目にはつかないその他多くの場所などをのぞいてみれば、そのような人々が見つかる。

たとえば、私はちょうど、バハマ諸島のシヴァナンダ(Sivananda) 道場でおこなわれた、世界中から集まった訓練中のヨガ教師に講演をするという、1週間の出張から戻ってきたところだ。彼らは、西洋の科学者たちの話を聞くのと同時に、「結合」を意味するヨガという古代ヴェーダ科学を学び、実践していたのである。
そこでは一人の医者が、ヨガと西洋科学の身体的運動との違いについて、講義をした。彼によると西洋科学では、身体の肉体的な側面についてしか教えないが、ヨガではエネルギー(気)や精神の側面も含め、より全面的な身体のシステムについて教える、との指摘だった。このより全体的なシステムは、日本の「言霊」など、ヨガ以外の古代科学でも教えられていた。ここから、癒しの術の、まったく異なる概念や実践がでてくる。より効果的で費用もかからない自己治癒をくじくような、西洋医学の浪費型介入よりも、自己治癒を重視する考え方ややり方である。これらの道場で訓練を受けたひとりひとりのヨガ教師――年に何千人も――が、新しいヨガセンターを開き、よりたくさんの人々に、精神に深く根ざした、健全な持続可能な将来に対するその価値観や実践を教えていく。

 

実行している人々の数だけ、自分たちの持続可能な将来を築くためのさまざまな方法がある。私は、あなた自身の関心や才能をあわせて用いることができるような側面、つまり、あなたが本当に楽しめるものに取り組んでみたら、とアドバイスをしよう。そうすれば、あなたの情熱があらゆるマイナス面に打ち勝ち、あなたの熱意に他の人々も一緒に活動しようと惹きつけられるだろう。自分のネットワー
クがしっかりと育つまで、異なるが関連することをやっている人々と話をし、協力体制を築いていこう。

インターネットは、あなたの地域や世界中で活動している、同じような考えや意見を持った人々を探し出すのに、すばらしい場である。

一にも二にも、ネットワーキングが大切なのだと思う!

4) いま使える資源を、新しい方法で用いるスキル

少し前の近代技術やポストモダン技術の時代も、現在の情報技術の時代も、「技術が進歩すればするほど、より大きな便益をもたらしてくれるので、すべての人にとって、よりよく、より幸せな将来がやってくる」という前提に根ざしている。しかし、ホリスティックな観点から見てみれば、技術だけでは、私たちの幸福を保証できないこともわかる。技術的生産の持続可能性そのものさえ、保証することはできないのである。私たちは、むしろ、「なぜ」いまの技術が持続可能ではないのかを、自然の中に見出し、自然からよりよい方法を学ばなくてはならない。

人間の技術はつねに、自然からインスピレーションを得てきた。私たちは、人間の技術の中で、糸を紡いで織るクモ、多層階の泥の住居を建築するシロアリ、穴を掘るモグラやアナグマ、潜水するクジラ、超強力な糊を作る二枚貝、飛ぶ小鳥、反響で場所を知るコウモリ、計算する脳などを真似してきた。

 

いまでは、自然のナノ世界を観察することからインスピレーションを得た、ナノテクノロジーの新しい波が押し寄せている(たとえばhttp://www.arn.org/docs/mm/vidgraphics.htmでは、バクテリア・モーターのアニメーションが見られる)。この10年間で、私たちは、バクテリアの95%が、これまで見たこと
もなかったような驚くべきインフラを有した複雑な都市に住んでいることを見出した。高層ビルや運河、橋もあるのだ。

私たちの身体の中には、有核細胞ひとつあたり、約3万もの"リサイクルセンター"が存在する。この数を100兆個という細胞数でかけ算をすれば、あなたの身体が、自分を健康に保とうと、身体を構成しているタンパク質のリサイクルにどれほど真剣であるか、わかるだろう!

ナノ世界は、私たちが裸眼で見ているマクロ世界よりも、何十億年も長い進化の歴史を有している。いまになってやっと、私たちは、自然がどのようにして、私たちの知っているなかでもっとも驚くべき物質を生み出しているかを見る機器を、手にしたのである。ジャニン・ベニュスの『Biomimicry』に明らかにされているように、大きなニュースがある。私たち人間は、炭化水素を力任せに「熱し、叩き、処理して」、その過程で96%も無駄にしながら製品を製造しているのに対して、自然は、クモの絹や真珠貝などのすばらしい物質を、まったく無駄を出すことなく、常温で炭化水素から作り出しているのだ!

 

日本のようにすでに省エネ対策が進んでいる国では、温室効果ガスを減らすための経済的コストが高く、国内のみで目標を達成することは困難です。一方で、海外にはまだまだエネルギー効率改善の余地が多い国がたくさんあり、こうした国では温室効果ガスを減らすためのコストも低くなります。

●京都メカニズム
 京都議定書では、国際的に連携して温室効果ガスの削減を確実に進めるための仕組みも定めました。これを「京都メカニズム」といい、「クリーン開発メカニズム」「共同実施」「国際排出権取引」の3つがあります。投資や取引といった市場メカニズムを活用するのが京都メカニズムの特徴です。

図:クリーン開発メカニズム<クリーン開発メカニズム>
 先進国が資金や技術を提供して、途上国と共同で事業を行ない、それによって途上国の温室効果ガスの排出量が減った場合(または、ガスが吸収されるようになった場合)それを先進国の削減量とすることができる制度。

 例)日本と中国が共同で、中国内の荒れ地に植林を行なった場合。

 企業はクリーン開発メカニズムを利用した排出権獲得に動き出しています。南米で植林事業を行なったり、アジアの工場で省エネ設備を整えるなど、海外の温室効果ガス削減に協力し、排出権を獲得しています。

図:共同実施<共同実施>
 先進国同士が共同で事業を行い、それによって温室効果ガスの排出量が減った場合(または、ガスが吸収されるようになった場合)、その削減分を分け合うことができる制度。

 例)日本とロシアが協力して、ロシア国内の古い石炭火力発電所を、最新の天然ガス火力発電所に建てかえた場合。

図:排出量取引<排出量取引>
 先進国同士で、排出量を売り買いする制度。先進国Aが、多くのガスを排出し、京都議定書の数値目標を達成することができないとき、目標以上にガスの削減を達成した先進国Bから、割当排出量を買うことができます。

 国内で温室効果ガスの削減に努めることが大切なのはいうまでもありません。日本は、京都メカニズムを活用して、各国と協力しながら温室効果ガスを減らすと同時に、長年培った優れた環境技術を途上国などに広め、地球規模での温暖化対策の推進に貢献していく必要があります。
 
●参考になるページ
京都メカニズム情報プラットフォーム 京都メカニズムとは?
京都府 京都メカニズム

 ホンダの福井威夫社長は21日、東京都内で記者会見し、低燃費の人気小型車「フィット」のハイブリッド車を2010年代前半に発売する戦略などを盛り込んだ08年度から3カ年の新中期経営計画を発表した。

 二酸化炭素(CO2)排出量を抑える環境対応車のハイブリッド車をめぐっては、乗用車「プリウス」などを手掛けるトヨタ自動車も車種を拡大しており、10年代に年間100万台の販売が目標。各社がハイブリッド車の車種展開を進めることで本格的な普及につながりそうだ。

 福井社長はフィットのハイブリッド車価格について「ガソリン車と比べて20万円高以内に抑えたい」と述べた。

 ホンダは、ハイブリッド車の新型車として、5ドア5人乗りのハイブリッド専用車を09年初めに日米欧の市場に投入するほか、スポーツタイプも販売する方針。既存の小型車「シビックハイブリッド」と合わせ、10年代にはこれらハイブリッド4車種で年間50万台の販売を目指す。

 環境対応車は、日産自動車、三菱自動車などが電気自動車の開発に力を入れているが、福井社長は「CO2低減の商品ではハイブリッド技術の進化が最も現実的で効果が大きい」と強調した。

 

神戸市での主要国(G8)環境相会合に出席した英国のヒラリー・ベン環境・食料・農村相は26日、同市内で共同通信のインタビューに応じ「環境相会合の結果を受け、7月の北海道洞爺湖サミットでは、先進国として少なくとも長期的な温室効果ガスの排出削減目標に合意する必要がある」と強調した。

 ベン環境相は、G8会合の結果を「先進国が洞爺湖で、昨年のサミットの結果よりも先に行かねばならないとの認識で一致し、長期目標でも合意したことは前進だ」と述べた。

 2009年の合意を目指して交渉が始まった次期の国際的な温暖化対策の枠組みについては「重要なのは先進国が法的拘束力のある目標を立て、排出削減へのリーダーシップを示すことと、発展途上国が対策などに取り組むための多額の資金を援助することだ」と指摘。

 その上で「洞爺湖サミットでの合意が、09年の合意の助けになる」とした。

 環境相はまた「各国がこれから何をしなければならないかを決めることは非常に困難だが、G8だけでなく、中国やインド、南アフリカやメキシコなど多くの国が議論したことは有意義だった」と評価。

 「(温室効果ガスの排出を大幅に減らす)低炭素産業革命のためには、地球を傷つける炭素の排出に価格を設定することが重要だ」と、排出量取引などの制度が次期枠組みでも採用されることが重要だとした。

 米国の姿勢については「議会の姿勢も変化しているし、3人の次期大統領候補はいずれも、米国の貢献の重要性に言及している」と、次期政権が積極姿勢を取ることに期待を示した。

自然の製造は、私たち人間の製造よりもはるかに高度であるということだ。そして、自然に対して十分な敬意を払い、自然のやり方を学ぶべきときである。私たちは、自然を単に"私たち人間だけが使う大きな資源"として見るような、あるひとつの種を残りの世界から分けて考えるような見方ではなくて、"私たち自身は自然の重要な一部である"と見ることを学ばなくてはならない。

いったん、私たち自身を、自然の畏るべき複雑な生きているシステムの「中」に存在するもの、人間の前に現れた無数の種よりもかなり成熟度も洗練度も低い新参者の種であると考えることができれば、人間という種として、協力的な持続可能性に向けて、急速に成熟度を高めていけるだろう。そうすれば、生物としての基本を解決でき、より自由に、私たちにしかない反省的な人間の心を探索し、育
てていくこともできるだろう。
この理由から、私はあなたがた新世紀世代の未来を手中に握っている能力ある人々に、そのキャリアの最初に、自然の生きているシステムの教えに対し、十分な謙譲の念を抱いて、自分自身の頭や心を開いてほしいと思う。体系的に、そしてホリスティックに考え、見るスキルと、現在ある資源を新しい方法で用いるスキルを学ぶこと。将来に対する前向きなビジョンを作り出し、協力して努力するため
に、同じような意見や考え方の人々を見出すことを学ぶこと。
このようなスキルが身につきさえすれば、もうあなたを止めるものは何もないだろう!
あなたの曾孫たちに、彼らの持続可能な現在を作り出すうえであなたの果たした役割を、どのように誇らしげに語ってもらいたいかを、ただちに、進化論的な視点から自問することからはじめよう。

日本が出す温室効果ガスの9割以上が石油や石炭などのエネルギーから発生する二酸化炭素です。活発な経済活動を行いながら二酸化炭素をへらすためには、「省エネ対策」が不可欠です。

●産業界の自主行動計画
 工場など「産業部門」の排出量は全体のおよそ4割、もっとも大きい割合となっています。自主的な行動計画を策定し、温暖化ガス削減に努める企業も増えています。

グラフ:二酸化炭素部門別排出量/直接

グラフ:二酸化炭素部門別排出量/間接

<環境自主行動計画>
 経済団体連合会(経団連)では、「産業界からの2010年度の二酸化炭素排出量を、1990年の水準以下に抑制するよう努力する」という目標を掲げ、1997年以降毎年、環境自主行動計画を公表しています。参加した34業種の2003年度の二酸化炭素排出量は、1990年度に比べて0.6パーセント減少しています。

●家庭や車の省エネ対策
 家庭やオフィスなどの「民生部門」、自動車などの「運輸部門」の排出量は増加傾向にあります。(
二酸化炭素の部門別排出量の推移のグラフ

<家電製品>
 製品の省エネ化は進む一方で、一世帯当たりの使用時間や保有台数が増えているため、消費電力は増加しています。
トップランナー方式によって、省エネ化を進めると同時に、「省エネラベル」などによって、省エネ性能の高い製品への買い替えを促します。

<自動車>
 
トップランナー方式の対象となる車種を増やすと同時に排出量の低いハイブリッド車や天然ガスを燃料とする車、ブレーキをかけるとエンジンが止まるアイドリングストップ車などを購入するときの税金の優遇など、燃費の優れた自動車の普及を促します。

<住宅・建築物>
 省エネルギー性能の基準強化や情報提供などで、省エネ住宅の普及を支援しています。オフィスビル建築時などには、省エネルギー措置の届出を義務づけています。ITを活用してビルや工場の照明や空調を最も効率的に行なうシステム(BEMS)を普及させます。
 
<物流の効率化>
 運輸部門の排出量をへらすためには、車の省エネ化とともに交通システム全体の対策が必要です。車がスムーズに流れる高度道路交通システム(ITS)の整備や、トラック輸送を鉄道や船など排出量の少ない手段に転換していく「モーダルシフト(利用交通機関を変えること)」が必要です。

●省エネ技術の開発
 ガスを用いて発電し、その廃熱を冷暖房や給湯に利用するコージェネレーションシステムや、省電力で長寿命の発光ダイオード(LED)照明など、エネルギー効率を高める技術の開発と普及を進めていきます。

●環境税
 温室効果ガスの排出量に応じて税金を負担する制度も検討されています。省エネな製品ほど割安になるので効果的とされています。一方で、企業の国際競争力が弱まるとの意見もあります。

 環境保護にはコストがかかり経済発展を阻害するという考え方もありますが、多少高くても環境にやさしい製品を買うなど消費者の意識も変わってきました。私たちが「省エネラベル」のついた商品を選んだり、ハイブリッドカーのタクシーに乗ったりすることで、二酸化炭素を減らすだけでなく企業の環境技術の革新を促すという風に、環境と経済の好循環が生まれるのです。

日本はエネルギーのほぼ半分を石油に頼っており、二酸化炭素排出の大きな要因となっています。二酸化炭素をへらすには、石油以外のエネルギーの割合を高める必要があります。

●新エネルギー
 太陽光発電や風力発電などのように、技術的には可能になっていながら、まだ一般的に利用されていないものを、新エネルギーとよんでいます。国は、エネルギー全体に占める新エネルギーの割合を、平成13年(2001)の1.2パーセントから、平成22年(2010)に3パーセント程度にする目標を掲げています。

グラフ:太陽光発電導入量の国際比較<太陽光発電>
 日本の太陽光発電の普及は進んでおり、個人の住宅でも利用されています。

<風力発電>
 平成15年(2003)3月末現在、576基が動いており、世界10位の導入量となっています。

<太陽熱利用>
 ソーラーシステムや住宅内暖房のためのソーラーウォールなど。

<バイオマス・エネルギー>
 生物の作り出す有機物を利用するクリーンで再生可能なエネルギーです。家畜排泄物や食品廃棄物を利用したものや、製紙工場から排出される黒液やチップ廃材を利用するものがあります。サトウキビやトウモロコシなどから作られるバイオエタノール3パーセント混合ガソリンは、二酸化炭素の排出削減効果が大きく、有望な自動車燃料として期待されています。

 新エネルギーの利用を進めるためには、これらの技術を安く利用できるような技術・システムの開発が必要です。
グラフ:新エネルギー導入実績と目標/発電分野 グラフ:新エネルギー導入実績と目標/熱利用分野
●原子力・天然ガス
 二酸化炭素を減らすためには、原子力や天然ガスなどの発電所の利用率を高めることが効果的です。安全面を重視した原子力発電所の利用拡大や、天然ガス火力発電所の設備利用率の向上などが考えられています。

●その他の対策
<森林の確保>
 議定書では森林などによる二酸化炭素の吸収量も算入してよいことになっています。森林整備や都市の緑化などによって、日本の削減約束6%のうち3.9%相当をまかなうことが目標。現在の見通しでは3.1%の削減にとどまるとみられ、都市緑化などのさらなる対策が必要とされます。

<ライフスタイルの変革>
 私たち一人ひとりの取組みもとても大切です。白熱灯を電球型蛍光灯に取替える、冷蔵庫の開閉を減らす・物を詰め込まない、節水シャワーヘッドの利用、暖房温度を20度にするといった小さな積み重ねが温暖化防止につながります。
ホンダの福井威夫社長は22日、共同通信などのインタビューに応じ、ハイブリッド車やディーゼル車などで環境対応車の開発戦略を加速し、先行するトヨタ自動車を追撃する意欲を見せた。

 福井社長は「来年初めに発売するハイブリッド専用車で、(トヨタの)『プリウス』と真っ向勝負する。その後も車種を追加し、環境に優しい企業イメージでトヨタを上回りたい」と対抗心をあらわにした。

 排ガスを浄化するディーゼル乗用車も来年、国内市場に投入する方針を説明。「ガソリン車より燃費が良い上、加速も力強い。環境対応車は当面、中型車以上はディーゼル、小型車はハイブリッドですみ分ける」と戦略を語った。

 円高が進む中「1ドル=90円台になっても戦える体力をつけなければいけない」と、国内生産拠点を強化する考えを強調。2010年にも埼玉県寄居町で稼働する新工場など2拠点への投資額を当初予定より2倍の1580億円に増やし、最新の生産技術導入で競争力を高めるとした。

 また、トヨタ同様、これまで「社員の自主的な活動」と位置付け、残業代を一部しか支払っていない社内の品質管理(QC)活動を見直す意向も表明。「(QC活動に参加していたトヨタ社員を過労死と認定した名古屋地裁の)判決をよく研究したい」と述べ、残業代の支払い拡大などを検討する姿勢を示した。

日本や欧米の先進国から発展途上国の一部まで、世界の少なくとも415の沿岸域で、アオコや赤潮が発生しやすい富栄養化が起き、さらに状況が悪化して生物がすめない海域の数も急増しているとする調査報告書を、米国の環境シンクタンク、世界資源研究所(WRI)などの研究グループが27日までにまとめた。

 調査によると、日本でも瀬戸内海を中心に北海道の内浦湾、東京湾、伊勢湾、大阪湾など13の海域や汽水湖で富栄養化が確認されるなど状況は深刻。グループは「原因となる農業排水や生活排水の流入規制などを強化しないと、今後、沿岸域の多くの人々の暮らしにも悪影響が出る」と警告した。

 グループは自らの調査に各国政府の資料や研究報告などを加え、世界の富栄養海域のデータベースと地図を作製。1960年ごろからの傾向も調べた。

 富栄養化が確認されたのは日本、米国、カナダ、欧州などの沿岸が中心。415カ所のうち、状況が特に深刻で生物がすめない貧酸素海域は169カ所で、60年の10カ所、95年の44カ所から急激に増加していた。日本にはない。状況が改善に向かっているのは13海域だけだった。

 富栄養化した海域では、プランクトンの異常発生による赤潮、生物の大量死やサンゴの死滅などが起きており、貝毒の増加などで人の健康にも影響が出ている。

 WRIのミンディ・セルマン研究員は「農業排水中に含まれる窒素の量が増えていることや、魚の乱獲などによる海の生態系破壊が原因だ」と指摘。「工場や農業排水中の窒素の総量規制、乱獲の防止など強力な対策を取ることが必要だ」と話している。

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